養豚業界における労務の大幅削減と利益率向上をサポート
IoT×クラウドAIを用いた豚肥育管理システムの実証
沖縄において、豚肉は食文化の基盤として重要な役割を果たしています。本事業は、その生産者をサポートして現場の労務負担を軽減する一方、管理を効率化し、生産性を上げることを目指します。
- IT活用ビジネスモデル・テストベッド構築支援事業
事業の背景
沖縄だけに限らず、精肉市場における輸入品の割合は年々上昇傾向にあります。特に養豚事業では、高齢化や人手不足によって生産効率向上は非常に難しく、多くの事業者が厳しい経営状況に置かれています。結果として事業継承が困難になり、廃業は増加傾向となっています。本事業は、これまで現場の感覚や経験に頼っていた保全管理を、IT・IoTを活用した数値化およびエビデンスに基づくマネジメントにシフトすることによって、生産現場の省力化と業務効率の改善に繋げることが狙いです。
実証内容
本事業では、以下の3つの実証を行いました。
(1)13〜16頭程度が収まる檻(=豚房)の天井に直下向けに広角IPカメラを設置し、その画像を解析することで豚房の頭数カウント(=棚卸し)を自動化するシステム
(2)クラウドに接続可能なIoT計量器による豚個体重量の実測値と、計量の際に天井のカメラから同時撮影した画像データとを照合することにより、豚個体重量を統計推量するシステム
(3)豚個体の背中にマーキングした文字等を画素像解析により読み取るシステム(医療記録等に活用)
実証結果
前述のシステムでは、画像解析手法としてコンピュータビジョン(CV)や機械学習(≒AI)を活用しました。現時点での判別精度は、(1)頭数カウント95%以上、(2)豚個体重量の推量78%、(3)マーキング検出82%となっています。特に重量については、現場の作業ルーティンの一部とすることで今後もデータベースを増加させ、さらなる精度向上を見込んでいます。
今後の展開
手始めに、規模の大きな事業者から販売活動を展開していきます。そのためには説得力のあるエビデンスを提示する必要があるため、エビデンスの確保を行います。その後は得られた評価を基に、中小規模の養豚業者にも普及を図っていきます。
構成企業※内容は事業採択時のものです
株式会社プラズマ
代表者 | 飯塚 悟 |
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事業内容 | IoTシステム開発/業務IT化支援/情報教育支援 他 |
設立年月 | 2018年6月 |
住所 | 沖縄県糸満市西崎6-16-16 |
TEL | 050-5534-0519 |
Webサイト | https://plazma.co.jp/ |
琉球飼料株式会社
事業内容 | 家畜用飼料の製造および販売 |
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住所 | 沖縄県浦添市港川495-3 |
TEL | 098-877-6363 |
ISCOハンズオン支援内容 | 遂行状況の確認・助言/事業報告の確認・助言/産業ニーズ収集、分析/モデルのブラッシュアップ/モデル開発の技術的助言/開発、実証の調整、支援/プロモーション支援/モデル収益化の支援/成果報告会の実施/モデル展開の追跡調査 |
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