
タビナカ事業者向け予約管理システム「OMUSUBI」
複数OTAの在庫管理を一元化、収益増とDX推進めざす
沖縄旅行に特化したポータル予約サイト「沖楽」を運営するSEEC(那覇市、阿部隆太郎代表)は、沖縄県の令和6年度ICTビジネス高度化支援事業を活用し、タビナカ(※1)事業者向けの予約管理システム「OMUSUBI」(おむすび)に、主要OTA(※2)の在庫一元管理機能とタビナカ業者間のセット商品販売支援に結びつく新機能を追加開発しました。在庫管理にかかる手間を削減しつつ、販売を効率化し収益を最大化するのが狙いです。旅行市場の中でも特にオンライン化が遅れるタビナカ業界のDXに取り組みました。
※1 タビナカとは旅行の「滞在」に特化したサービスのこと。工芸品作り、マリンレジャー、ガイド付き観光ツアーなど現地体験を提供するサービスを指す。
※2 OTA とはOnline Travel Agent(オンライン・トラベル・エージェント)の略。旅行商品(航空券、ホテル、レンタカー、ツアーなど)をインターネット上で販売するプラットフォーム。じゃらん、Expediaなどが代表的なOTA。
- 令和6年度ICTビジネス高度化支援事業
- 技術高度化ステージ
事業の目的
現地のアクティビティは旅の質を高める重要な要素であるにもかかわらず、業界のオンライン予約比率はホテル業界の半分にも満たない状況です。デジタル化が遅れる背景には、人手不足に加え、プランやオペレーションが複雑化する業界特有の課題もあります。当社は2013年、OTA「沖楽」をオープン、県内400以上の事業者に管理システムを提供してきました。令和5年度に同補助事業を活用し、「OMUSUBI」に事業者HP・主要OTA経由の予約情報を一元管理できる機能を追加。現在、80施設以上の事業者がサービスを利用しています。今年度は在庫の一元管理を柱にいくつかの新たな機能を開発しました。
実施内容
事業者ごとに人(ガイドや運転手)、モノ(機材や車両)など在庫管理する対象は複雑で、一元管理や事業者間のセット商品販売時のフロー効率化について相談が寄せられていました。そこで導入事業者に対し、リクエストが多かった以下の開発を行いました。
- 収益の最大化とDXの促進
- 複数OTA在庫管理の一元化
- 写真及び動画の販売
- 電子サイン機能
- タビナカ事業者間ネットワークの連携
- 他者セット販売(予約カート機能)
- 乗員名簿
事業の成果
複数のOTAを利用する場合、事業者は各OTAの管理画面上で空き数を更新する必要がありますが、エクセルで管理するなど依然人手を要していることが分かりました。そこでOMUSUBIに複数OTAの在庫数を自動調整・更新する仕組みを作りました。またシュノーケルとパラセーリングのセットツアーなど、タビナカ業者同士の商品をセット販売しているケースには、双方で予約や天候不良時のキャンセル処理を行える機能を追加。釣り船の乗り合いなど、残席管理・乗員名簿の自動作成ができる機能も追加しました。
事業の展望
在庫管理の一元化で販売機会の損失やオーバーブッキングを防げるようになります。また、連携する事業者間のやりとりの負担軽減が図れます。新機能によりバックオフィス業務時間の20%削減を目標にユーザー検証を進めました。令和7年3月までに運用開始予定です。
令和6年5月現在、複数OTAの在庫を一元管理できるシステムは、タビナカ業界に存在しません。今後さらに機能改善を進め、DXで業界の人手不足、収益増に貢献します。令和7年中に県内・県外合わせて162施設の導入を目指します。


構成企業※内容は事業採択時のものです
株式会社SEEC
代表者 | 阿部隆太郎 |
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事業内容 | インターネット広告代理事業、旅行事業、ゲームアプリ事業、インターネットメディア事業を沖縄と関東で展開。 |
設立年月 | 2005年10月 |
住所 | 本社:東京都渋谷区恵比寿 支社:沖縄県那覇市泉崎1-20-6 那覇ビジネスセンター7F |
TEL | 098-943-3410 |
Webサイト | OMUSUBI概要(https://jcation.com/omusubi/) 沖楽概要(https://oki-raku.net/) |
ISCOハンズオン支援内容 | 遂行状況の確認・助言/事業報告の確認・助言/テストフィールドの発掘/技術情報展開支援/ビジネスモデル事業化支援/成果事例報告会の実施/年間有識者の派遣 |
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