
「おごりたい」気持ち贈り合う決済アプリ「SOUP」
ファンがファン呼ぶ「感情」をマーケティングツールに
キャッシュレスデータを活用した顧客管理・分析システムの開発・販売などを手掛ける「SOUP」(浦添市、松川洋平代表)。当社は沖縄県の令和6年度ICTビジネス高度化支援事業を活用し、自社サービスのコミュニケーション決済アプリSOUP(スープ)にファンマーケティングを強化する機能を追加開発しました。利用客がおすすめしたい店舗の商品・サービスをアプリで購入し他者へプレゼントできる「おごり機能」の実装に向けてアンケートを実施。中小企業でもOMO(※1)決済の導入を可能にし、新規客獲得と売上向上につながるプロダクトをめざしました。
※1 OMOとはOnline Merges with Offlineの略でマーケティング手法のひとつ。「オンラインとオフラインの融合」と訳され、インターネットと実店舗でシームレスな購買・サービスを提供することで、顧客体験を向上させていく考え方。例)オンライン注文のデリバリーサービス、モバイルオーダーの店舗など。
- 令和6年度ICTビジネス高度化支援事業
- 技術高度化ステージ
事業の目的
小規模な飲食店等にとって常連客の紹介は新規客獲得につながる重要なマーケティング要素です。よく行く店の美味しい料理などを知り合いにおすすめしたくなる「感情」を集客に活かすのが「おごり機能」。アプリで数百〜数千円の(電子チケット)を購入し、おごりたい人に贈ることができます。当社は「おごり機能」の実装に向けて、自社運営の「RESTAURANT Lilly-李理-」の来店客を含む約400人に対し、「おごる・おごられる体験」についてアンケートを実施しました。
実施内容
その結果、「おごられる機会」があれば初めての店舗でも足を運ぶと答えた人は63%、おごられる金額に関係なく来訪したいと答えた人は約30%。「おごってくれる相手」が親しい友人・家族の場合、来訪したいと回答した人は53%でした。商品やサービスを気に入った場合、他人に紹介したいと答えた人は58%、紹介した際に「おごる可能性」について、既におごった経験のある人は12%、おごる可能性があると答えた人は28%いました。さらに初めての店舗を選ぶ際、約38%の人が「抵抗感がある」と回答しました。
アンケートの結果を元に2025年2月下旬からRESTAURANT Lilly-李理- において実証をおこなう予定です。
事業の成果
アンケートから新規客の獲得には、根強いファンが新たなファンを呼び込むマーケティングが重要と分かりました。ユーザーが気軽に使えるように、LINE内で完結するアプリを制作しました。POSデータから来店回数・頻度・利用単価・注文履歴など顧客の行動を分析し、愛着を持つ顧客(ロイヤルカスタマー)の育成に効果的な取り組みができます。今後の追加機能としてトーク画面からメニューへの質問やアレルギー情報の確認、パーティーなどを撮影した画像を送ることができる機能、客から店舗スタッフへ「デジタルチップ」を贈るギフト機能は既に実装済みで、RESTAURANT Lilly-李理- の他、全国でチェーン展開する飲食店でも実証します。
事業の展望
キャッシュレスと聞くと単なる決済手段と思われがちですが、SOUPアプリはファンの温かい思いが交流する決済ツールにしていきたいです。小規模でもファンをつくりたい店舗なら1店舗から導入可能です。将来的には支払い方法の拡大、予約システムとの連携、ECサイト、ファンの会費制サービス(サブスクリプション)も検討します。美容室やエステサロン、アーティストの支援など、多業種の対応も進めていきたいです。また「おごり機能」は法人利用も視野に入れたいと思います。

構成企業※内容は事業採択時のものです
株式会社SOUP
代表者 | 松川洋平 |
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事業内容 | 情報通信業、情報サービス業、ソフトウェア業 |
設立年月 | 2009年9月 |
住所 | 沖縄県浦添市沢岻2丁目13-5 3F |
TEL | 098-851-8641 |
Webサイト | https://www.soupcorp.jp |
ISCOハンズオン支援内容 | 遂行状況の確認・助言/事業報告の確認・助言/テストフィールドの発掘/技術情報展開支援/ビジネスモデル事業化支援/成果事例報告会の実施/年間有識者の派遣 |
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