
メタバースイベント「OKIVFES」で企業のDX化促進
集客・交流・情報発信のデジタル体験とノウハウ提供
沖縄のバーチャルタレント根間ういが所属する「あしびかんぱにー」(那覇市、片桐芳彦社長)は、沖縄県の令和6年度ICTビジネス高度化支援事業を活用し、自社が手掛けるメタバース事業「OKIVFES」(オキブイフェス)に出展する県内企業のDX促進・強化に取り組みました。同フェスは仮想化したメタバース(※1)空間「バーチャル沖縄」上において、沖縄文化・エンタメが体験できるイベントで、2022年から開催、OKIVFES 2023では10日間で国内外約20万人を動員しました。25年は30万人を目標に出展企業を募り、仮想空間の集客・発信などのデジタルエクスペリエンス(※2)を提供し、県内企業のDX化促進をめざしました。
※1 メタバースとは、コンピュータ上に構築された3次元の仮想空間やそのサービス。
※2 デジタルエクスペリエンス(Digital Experience)とは、ユーザーや顧客がデジタル技術やサービスを通じて得る体験を指す。文中のDXは(Digital Experience)の略語。
- 令和6年度ICTビジネス高度化支援事業
- 技術高度化ステージ
事業の目的
OKIVFESでは、国際通りや首里城など既存施設をモチーフにした空間、音楽ショーやアート展など、様々なイベントが楽しめます。また空間内に企業が出展することも可能で、企業をイメージした特設ブースを設置してのPRや、来場者との交流ができます。これまでに航空会社、飲料、食品メーカーなどが参加し、実際の販促につながった事例もありました。今回、同社はBtoB事業として、フェスを集客・発信力強化のデジタル体験を提供する場と位置づけ、参加企業に対しノウハウの提供、仮想空間を活用したサービスの創出、市場開拓を視野に入れたDX化促進・強化へ取り組むことになりました。
実施内容
小売業、飲食業、ホテルの3社をモデルにVR上にコンテンツを開発。
各企業の特色を生かして沖縄の魅力をユーザーに届けられるよう空間を設計しました。また各空間で楽しむ様子をSNSに上げるユーザーが多いことから、ブースの演出も強化し、写真を撮りたくなる工夫を重ねました。一方で、商品に貼付したURLから購入を促すことはできるものの、仮想現実からの離脱を嫌がるユーザーに消費行動を喚起することにはハードルもあります。そのため、リアルのユーザー層とは違う層へのリーチを狙うため、出展目的を共有するためのプレゼンテーションを重ね、ベータ版を構築しました。
事業の成果
本番に向け動作テストを繰り返してブラッシュアップを図りました。同フェスは3月14日から10日間、開催を予定しており、現在は専用サイトを公開し、XやYouTubeを中心にSNSの投稿を進めています。イベント終了後は各企業に対し、ブースの滞在時間、関心が高かった商品・サービスなどを分析し、個別データを提供します。当社としては制作や運営で得られる情報やノウハウの蓄積だけでなく、それらを出展企業と共有することで連携の強化とOKIVFESの認知度の向上につながります。
事業の展望
こうした取り組みを継続しながら、県内企業との連携強化やECサイトでの販促に繋げるといった次の展開も見据えています。さらに協賛企業がメタバースでのデジタル事業を経験して、次の新たなDXに目を向けるきっかけになってほしいと期待しています。今後もメタバースの集客力や発信力を強みに、沖縄の文化やスポーツなど幅広い分野で、実存するコンテンツや地域資源を組み込み、付加価値の高いデジタル事業を目指します。

構成企業※内容は事業採択時のものです
株式会社あしびかんぱにー
代表者 | 片桐芳彦 |
---|---|
事業内容 | ゲーム制作、Vtuberの企画・制作・運営、メタバース事業(バーチャル沖縄)など デジタル・エンタテインメント・コンテンツの企画・制作・運営を展開。 他、音楽アーチストマネジメント、街頭ビジョン運営、EC事業、リテール事業など「沖縄」をキーワードとした事業を幅広く展開。 |
設立年月 | 2014年7月 |
住所 | 沖縄県那覇市旭町1-9 |
TEL | 098-917-0467 |
Webサイト | https://ashibi.jp/ |
ISCOハンズオン支援内容 | 遂行状況の確認・助言/事業報告の確認・助言/テストフィールドの発掘/技術情報展開支援/ビジネスモデル事業化支援/成果事例報告会の実施/年間有識者の派遣 |
---|