AI自動商品判別クラウドEDIサービス
FAX注文の「商品判別」をAIで自動化
「目視・手入力」の負担軽減・ミス解消、次世代EDIめざす
2020年に設立し、IT・経営の専門的支援からシステムの企画・開発・保守までを一貫して手掛けるナウレッジ株式会社(豊見城市、島村祐介代表)は、令和6年度に企業間の受発注データを連携するサービス「Quick Link EDI」を開発(※)し、県内の給食業界等へ提供を開始しました。令和7年度も沖縄県ICTビジネス高度化支援事業を活用し、同システムにAIによる「注文データ自動作成機能」を追加。小規模な食品卸や工場など、FAX注文書を人の目で確認し手入力するアナログな商習慣が残る現場において、商品判別をAIが肩代わりすることで、受注業務の効率化と入力ミスの解消を目指しました。
※令和6年度沖縄県ICTビジネス高度化支援事業を活用しています。
- 令和7年度ICTビジネス高度化支援事業
- 技術高度化ステージ
事業の目的
県内の給食業界等では依然としてFAX注文が主流で、届いた注文から商品を特定する「商品の判別」が大きな負担となっています。導入企業の一例では、扱う商品が約5,000アイテムに及びます。例えば「もずく」一つでも、洗い・塩・味付けなど数種類、規格も40gから10kgと規格が多岐にわたるため、その都度、取引先への確認作業が発生していました。また、古い商品名のまま届く注文を最新名称へ変換して処理するケースも多く、これら担当者の「長年のカン」に頼る属人的な業務が効率化の壁となっていました。
本来、受発注を自動化するのがEDIの役割ですが、発注側のマスタ管理が不十分な環境ではデータ連携が困難という実態があります。そこでこれらの判別工程にAIを活用。曖昧な注文内容を自動で解釈して自社の商品リストへ紐付ける機能を実装し、判断時間の削減と入力ミスの解消に取り組みました。
実施内容
導入には、受注側が自社の商品リスト(商品マスタ)を初回登録することが必要です。取引先のデジタル化は企業ごとに異なるため、受注側が柔軟に対応できるよう、3つの受発注パターンから選んで導入できます。
①AI受注【取引先の協力不要】
FAX注文の取引先を想定。FAX(紙)をアップロードすれば、AIが商品判別を行い、自社の業務アプリへ取り込み可能な形式で注文データを自動作成する。
②AI発注【取引先の協力:中程度】
発注側が注文書(PDF等)をシステムへアップロードする形式。AIが受注側の商品コードへ自動変換し、取り込み可能な形式で注文データを自動作成する。
③CSV発注【取引先の協力:高度】
デジタル化が進んでいる取引先に対応。相手から出力されるCSVデータを取り込むことで、正確なデータ連携が可能。双方のシステム調整が必要で導入難易度は高いが、効率化の効果は最大。
事業の成果
実証は、公益財団法人沖縄県学校給食会および株式会社マルキン海産にて実施。両社とも運用環境は前述した①「AI受注」の導入パターンで行いました。
当初、既存の帳票読み取りAIの活用も検討しましたが、給食業界特有の略称や曖昧な表記を自社コードへ正確に紐付けるには限界がありました。また、沖縄ならではの食材や商品名をAIに正しく理解させるプロセスにも大きな苦労を伴いました。
そこで、検証と分析を繰り返しながら商品マッチングの計算手法を独自に見直した結果、現在は約8割の商品で第1候補に正しい商品が提案されるまで精度が向上しました。さらに、取引先ごとの注文傾向をAIが学習する機能を備えているため、利用を重ねるほど各取引先が希望する商品をより正確に提案できるようになります。
OCR(文字読み取り)の精度は約98%に達していますが、最終的な判別結果の確認は人が行い、承認後に業務アプリへ連携する運用とすることで、正確性を担保しています。
マルキン海産における実証では、月平均で約24時間かかっていた受注入力業務が約6時間に短縮され、約74%の業務時間削減に成功しました。この結果、現場の負担軽減に大きく寄与することが確認できました。
事業の展望
現在はシステムテストを完了し、受注入力時間の削減、デジタル化移行率、満足度、費用対効果といった各KPI指標の検証を継続しています。今後は、実証で得られた課題を元に多様な注文書の対応を図るための改修を進めてまいります。まずは県内の給食業界や老健施設への導入を本格化させますが、本事業で確立した「アナログな情報を正確にデータ化する技術」は汎用性が高く、将来的には電子部品や建築資材など、多種多様な規格品を扱う他業種への展開も視野に入れ、地域全体のDX推進に貢献することを目指します。
構成企業※内容は事業採択時のものです
ナウレッジ株式会社
| 代表者 | 島村祐介 |
|---|---|
| 事業内容 |
1.ITに関するコンサルティング 2.経営に関するコンサルティング 3.コンピュータシステムの企画、開発、販売及び保守 |
| 設立年月 | 2020年9月 |
| 住所 | 沖縄県豊見城市字豊崎3-59 |
| TEL | 050-3703-9910 |
| Webサイト | https://www.nowledge.co.jp/ |
| ISCOハンズオン支援内容 | 遂行状況の確認・助言/事業報告の確認・助言/テストフィールドの発掘/技術情報展開支援/ビジネスモデル事業化支援/成果事例報告会の実施/年間有識者の派遣 |
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