
ケアプラン作成支援アプリ「介護のマナ」に追加機能
面談音声をAIで要約し自動記録、文書化の手間を削減
AIを活用したケアプラン作成支援アプリ「介護のマナ」を提供しているソフトウェア開発の「ライフシフト」(南城市、嶺井政哉代表)は、沖縄県の令和6年度ICTビジネス高度化支援事業を活用し、ケアプラン作成に欠かせないアセスメントやサービスの実行状況を確認するモニタリングなど面談時において、音声をAIでテキスト化し、要約して自動的に記録できる新機能の「音声認識AI対話型ソリューション」開発に取り組みました。併せて国保連伝送API(※1)とケアプランデータ連携システム(※2)にも対応できるようアプリの改良を図りました。
※1 国保連配信APIは、介護・福祉事業者が国民健康保険団体連合会(国保連)へ請求データをオンラインで送受信できるシステム。
※2 ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間でケアプランを共有できるシステム。2023年、国民健康保険中央会が開発した。
- 令和6年度ICTビジネス高度化支援事業
- 技術高度化ステージ
事業の目的
ケアマネージャーは、課題等の情報収集(アセスメント)を基に作成されたケアプランに沿って、毎月、適切にサービスが提供されているかを確認(モニタリング)します。アセスメントとモニタリングは、ケアマネージャーが利用者や家族と面談する形式で行われており、さらにサービスを実行する介護事業所との会議や医療従事者との調整などが生じるため、ケアマネージャーが面談等に要する時間は膨大です。こうした面談等は記録の文書化が必須ですが、メモを手打ち入力しているのが現状です。こうした課題をニーズと捉え、面談時の音声を録音し、テキスト化して要約する音声認識AIシステム、自動記録の開発に取り組みました。
実施内容
「介護のマナ」に録音機能を実装。ケアマネジメントのプロセスで生じる面談等(アセスメント・モニタリング・会議・調整等)における記録内容を音声認識エンジン経由でリアルタイムにテキスト化し、ChatGPTで要約する独自のシステムを構築し、ケアプラン作成を補助する機能を開発しました。データはリアルタイムで自動的に保存され、いつでもどこからでもアクセスできます。また国保連伝送APIとケアプランデータ連携も実装しました。
事業の成果
実際に「介護のマナ」ユーザーに音声認識AI機能を利用してもらい、同機能の実装後で、ケアマネージャー1人あたりの対応件数、対話時間、満足度の変化についてヒアリングした結果、19事業所から概ね好評を得ました。スマホ・タブレットでの簡単な操作性も評価され、すでに10社以上が導入を検討するという結果が得られました。
事業の展望
「介護のマナ」は、アナログだったケアプラン作成業務時間を10分の1まで効率化できるアプリとして、導入してくださる事業者が増えています。現場のケアマネージャーは本来、利用者や家族に向き合い、対話に時間をかけたいと思っています。こうしたニーズに応え、利用者本人に適したケアプランづくりと業務効率化の両立に貢献していきたい。人材不足、介護難民問題の解決など、DXで介護の現場を支えていきたいです。

構成企業※内容は事業採択時のものです
株式会社ライフシフト
代表者 | 嶺井政哉 |
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事業内容 | 介護事業サポートシステムの開発・販売 |
設立年月 | 2019年10月 |
住所 | 沖縄県南城市佐敷字津波古930番地 |
TEL | 080-9104-0682 |
Webサイト | https://lifeshift-inc.com |
ISCOハンズオン支援内容 | 遂行状況の確認・助言/事業報告の確認・助言/テストフィールドの発掘/技術情報展開支援/ビジネスモデル事業化支援/成果事例報告会の実施/年間有識者の派遣 |
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