採択事業詳細

沖縄県採択事業者のご紹介

不動産業務の負担軽減で人材不足解消の一手に

AIを活用した間取り図作成ソフトで業務の効率化を図る

  • AI
  • DX
  • 不動産会社
  • 中小企業
  • 業務効率化
  • 生産性向上

県内の不動産会社を対象にホームページ作成・コンサルティング・webマーケティング事業等を手掛ける「いえらぶ琉球」(那覇市)。いえらぶGROUP(本社:東京)が展開する不動産業務支援クラウドサービス「いえらぶCLOUD」の沖縄エリアでの運用支援も行っており、取引企業は1万5千社を超えます。賃貸仲介・賃貸管理・自社販売・建売など、あらゆる不動産業のセールス活動に必須となるのが「間取り図」(平面図)。同社は昨今の不動産業界が抱える人手不足の課題と生産性を向上させるツールとして、令和5年度ICTビジネス高度化支援事業を活用し、AIの画像認識機能を使い間取り図を自動作成するソフトウェア開発に着手しました。

  • 令和5年度ICTビジネス高度化支援事業
  • ビジネス構築ステージ

事業の目的

中小企業が大半を占める不動産業界で、特に負担と感じる業務の一つが物件の間取り図作成です。間取り図はサイト掲載・チラシ広告・資料作成など、多方面で必要な情報であり、作成は主に①間取り図作成ソフト使用②他社の間取り図流用③作成代行業者へ外注―の3方法が挙げられます。しかし1件あたりの作図に30〜60分を要し、物件の表記は各社・不動産の種類ごとにばらつきがあるのが現状です。そこで人件費・外注コストを減らすと同時に、作図のスピード化で売上向上につなげることを目的に、AI画像認識機能を使った間取り図半自動化作成ソフトのプロトタイプ開発のPoC(実証)に取り組みました。

実施内容

利用者が間取り今回開発した間取り図作成ソフトに設計図・CAD図・手書きの図案(原案図)などを読み込み、AI画像認識をクラウド上(専用サーバー)で一元処理します。アノテーションツール(画像データに意味付けを行う)による正解データの作成、学習モデルの構築(入力データ・正解データの誤差学習)を行い、精度を検証(学習データと正解データの比較・整合性検証)しました。これにより図面の角度修正や壁・建具といったパーツまでを自動入力できる仕組みを目指しています。
また開発コストの算出・サービス開始後のランニングコスト(運用・保守コスト)調査も実施しました。

事業の成果

一般的な間取り作成ソフト(手動)に比べ、工程の50〜70%を自動化することで、作図の大幅な時間短縮を実現。(PC操作が不得手なユーザーだと約60分かかる作業を短縮)。さらに、作図のサイズ・比率の差異や欠落を減らし、高精度の作図・再現が可能になります。また、不動産の種類(マンション・アパート・戸建て・店舗・土地等)に応じた間取り表示が容易となるため、利用企業(ユーザー)にとってもあらゆる作図対応のアピールになります。一方で、例えば間取りを見る相手が日本人か外国人かによって、リビング・ダイニング・キッチンをLDKと略すかどうか、間取り図の用途によってLDK部分に着色を施すかどうか等、対応する表記が変わるため、最終工程にはあえて手動の余地を残しました。

事業の展望

既存の業務支援クラウドサービスのユーザー(15000社)を中心に、業界特化型の商品・サービスとして、不動産業界だけでなく、作図を請け負う広告代理店や外注先企業の利用拡大も視野に提案が可能と期待しています。料金体系は中小企業が多い業界向けに、初期費用(ソフトのダウンロード)は無料、従量課金制で月額1000円台〜5000円台を想定し、ニーズ調査・テストマーケティングを行い、収益化を目指します。また、現状では間取り図に著作権はないため、将来的にはAI間取り図の再利用やデータベースの構築、検索サービスも展開していきたいと考えています。

間取り図面のAI画像認識+ブラウザ版間取りソフト

構成企業※内容は事業採択時のものです

株式会社いえらぶ琉球
代表者名 峯田つかさ
事業内容 WEBコンサルティング / ホームページ制作 / WEBマーケティング
設立年月 2014年1月
住所 沖縄県那覇市天久795番地3
TEL 098-860-2080
Webサイト https://www.ielove-ryukyu.co.jp/
ISCOハンズオン支援内容 遂行状況の確認・助言/事業報告の確認・助言/テストフィールドの発掘/技術情報展開支援/ビジネスモデル事業化支援/成果事例報告会の実施/年間有識者の派遣

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