人力で3日を要した2万枚の画像判別・レポート作成が1時間に短縮
AIを活用したマングース等動物自動画像判別システム構築事業
ハブや野ネズミ退治のため明治時代に沖縄県へ導入されたマングース。しかし、期待された効果がなかった一方、その数は激増し、世界自然遺産登録された沖縄本島北部に棲む天然記念物で絶滅危惧種であるヤンバルクイナなどの希少な在来生物の生態系を脅かしています。その防除に欠かせない罠の効果的な設置のため、本事業では、従来は目視確認で行われていた、わな付近に設置された自動撮影カメラの画像の判別を、AIで行うことで省力化を図り、やんばるの希少生物の保護活動を支援します。
- 令和4年度ICTビジネス高度化支援事業
- 技術高度化ステージ
事業の目的
マングース防除業務を担う島嶼生物研究所の協力のもと、AIにマングースの画像判別を学習させて精度を高め、沖縄本島北部のマングース用わな付近に設置された自動撮影カメラの画像の判別を行います。また、従来は人の手で行っていた、画像データごとの撮影日時、場所、座標などを記録するレポート作成も合わせて行うことで省力化を図ります。
実施内容
沖縄本島北部のマングース用わな付近に設置された、70台の自動撮影カメラのSDカードに記録された数万枚におよぶ画像データに対して、AI解析技術を用いてマングースが写っているかどうかを判別し、自動的に画像の仕分けを行います。またこれらの結果をまとめたレポートの作成を行います。また、通信機能を利用して画像データを送信するタイプの自動撮影カメラ1台も利用し、より効率的な画像データの取得やその他付加価値向上についても実証します。
事業の成果
毎月数万枚に及ぶ画像データの判別が、AI活用により格段に省力化され、画像の目視確認と判別、撮影情報のレポート作成まで3日間かかっていた2万枚の判別が、わずか1時間になりました。また、学習によってAIの精度が向上し、おおむね85%の確率で判別できるようになり見逃しが減少しました。さらに、SDカードに記録された画像だけでなく、通信機能で送信したデータのAI判別も成功しました。
事業の展望
沖縄本島北部地域における、特定外来生物であるマングースの防除活動をよりいっそう支援していきます。また、従来のように、ひと月ごとにSDカードのデータを判別する方法では、周囲の植物でカメラの視野がふさがれるなど、カメラ自体にトラブルが発生した場合に気付きが遅れることもあり、データ通信カメラの活用も視野に機能を高めていきます。
構成企業※内容は事業採択時のものです
沖縄セルラー電話株式会社
代表者 | 菅 隆志 |
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事業内容 | 私たち沖縄セルラーは、地元沖縄の総合通信事業者として携帯電話サービス、固定インターネットサービスを提供しています。 |
設立年月 | 1991年6月1日 |
住所 | 沖縄県那覇市松山1丁目2番1号 |
TEL | 098-869-1001 |
Webサイト | https://okinawa-cellular.jp |
ISCOハンズオン支援内容 | 遂行状況の確認・助言/事業報告の確認・助言/テストフィールドの発掘/技術情報展開支援/ビジネスモデル事業化支援/成果事例報告会の実施/年間有識者の派遣 |
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