ドローンで果実農家の労働負担軽減と収益性向上を図る
ITを活用した果実栽培の効率化および高度化支援サービス開発事業
本事業は、ドローンおよびIT技術を活用して果実農家の労働負担を減らし、収益性を上げ、ひいては果実栽培の担い手を増やすことが目的です。ドローンにより、カラスを追い払う、果実の色を認識して生育状況を把握する、新芽を確認して病害虫対策に役立てるなど、機能の確立を目指しています。
- IT活用ビジネスモデル・テストベッド構築支援事業
事業の背景
タンカンなど果実栽培の現場では、農家の高齢化とともに就業者の減少が続いていますが、その要因のひとつとして挙げられるのが「重労働」です。果実栽培は山の斜面を利用することが多く、見回りだけでも肉体的に大きな負担となります。また、労力の割に収益性が低いため、新規就農者から敬遠され、なり手が少ないことも就業者減少の要因となっています。
実証内容
こうした果実農家の労働負担を減らすために、ドローンおよびIT技術を活用することにしました。まず育生状況把握では、広い農園における収穫時期を判断するために、ドローン撮影画像と果実の糖度・酸度、果実農家による食味結果等をデータ化し、相関関係を検証しました。病虫害対策では、病害虫発生の原因となる新芽の検出をドローン撮影画像から行いました。またカラス対策では、ドローン飛行によるカラスの反応を確認しました。
実証結果
育生状況把握では、天気・撮影時間帯の異なる状況下でのドローン撮影画像から、天候等に影響を受けにくい手法で着色の数値化を行いました。その結果をもとに、数値と糖度・酸度・食味等との相関化に取り組み、現在は検証で得た知見から、採用すべき画像の整理(約50%の進捗)を図っています。また病虫害対策では、新芽検出を可能とするドローン機種選定・飛行方法と、圃場全体から個々の果樹を識別する方法を検証しました。現在は50%程度の検出精度のため、今後はディープラーニングの活用を含め、精度向上の検討を行う予定です。そしてカラス対策では、農家から「ドローン飛行によりカラスによるタンカン被害が大幅に削減された」と評価を受けました。
今後の展開
今後は、実証した機能の精度アップおよび自動化と他果実栽培への展開を検討していきます。また、トータル的な人的稼働とコスト削減を図るため、ドローンの無人自動運航を検討していきます。将来的には、ドコモのドローンプラットフォーム「docomo sky」ヘの機能実装を目指し、検討を継続していきます。
構成企業※内容は事業採択時のものです
株式会社okicom
代表者 | 小渡 玠 |
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事業内容 | 保守サポート/GIS・ソフトウェアの企画・開発/WEBコンテンツの企画・製作/専門技術者の派遣/パッケージソフトウェア販売・運用支援/コンピュータ関連機器の販売/サーバ・ネットワーク構築 |
設立年月 | 1980年1月 |
住所 | 沖縄県宜野湾市大山1-17-1 |
TEL | 098-898-5335 |
Webサイト | https://www.okicom.co.jp/ |
株式会社NTTドコモ
事業内容 | 携帯電話サービス・光ブロードバンドサービス等の通信事業/動画配信・音楽配信・電子書籍サービス等のサービス/金融・決済サービス等のスマートライフ事業 他/沖縄振興推進の取り組みとして、5G・AI・IoT等の最新ICT技術の活用により沖縄県の持続的発展に貢献 |
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住所 | 沖縄県那覇市壺川3-3-5 壺川スクエアビル2F(沖縄振興推進室) |
TEL | 098-840-0130 |
ISCOハンズオン支援内容 | 遂行状況の確認・助言/事業報告の確認・助言/産業ニーズ収集、分析/モデルのブラッシュアップ/モデル開発の技術的助言/開発、実証の調整、支援/プロモーション支援/モデル収益化の支援/成果報告会の実施/モデル展開の追跡調査 |
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